クールな幼なじみが本気になったら
…だけど、ユウヤくんの期待に満ちたキラキラとした目。

わたしなら、絶対断らないという自信があるのだろうか。


このまま、ダラダラ付き合っていてもダメっていうのはわかっているのに。


わたしの『OK』の返事を待つユウヤくんに、『NO』を突きつけるのは酷なようにも思えてきた…。



…だれかっ。

この場を切り抜けてくれる…だれかの助けがあったら。


そう思っていた、…そのとき。



「その手、離してもらえるかな」


突然、頭上から声がしたかと思ったら、わたしの手を握るユウヤくんの腕をつかむ手が――。


驚いて顔を上げると、目を細めてユウヤくんに視線を落とす…りっくんだった!


「…りっくん!」

「遠野先輩?…が、どうしてここに?」


りっくんを少し睨みつけると、その腕を振り払うようにしてユウヤくんが一歩下がった。
< 46 / 220 >

この作品をシェア

pagetop