クールな幼なじみが本気になったら
すかさず、わたしとユウヤくんとの間にりっくんが割って入る。


「…遠野先輩。オレたち大事な話をしていたので、そこどいてくれますか?」

「大事な話…?お前が、一方的にしずくに詰め寄ってるふうにしか見えなかったけど」

「そんなことありませんよ!だってオレたち、付き合ってるんですからっ」


ユウヤくんのその言葉に、わずかに見えるりっくんの横顔から、目尻がピクッと上がったのがわかった。


「付き合ってる?お前としずくが?」

「そうですよ。彼氏と彼女なんです♪朝にも言ったじゃないで――」

「彼氏だったら、しずくを困らせるようなことするなよ」


いつもよりも低いりっくんの声が、静かな屋上に響く。

それに驚いたユウヤくんが、少し怯えたようにりっくんを見上げる。


「お前にグイグイ迫られて、しずくが言いたいことも言えないのに気づいてたか?彼氏なのに、そんなこともわからないわけ?」
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