クールな幼なじみが本気になったら
もちろん、学校でだって人気だし、女の子からはモテモテ。


…だから。

前までの幼なじみの関係が、まるで嘘だったかのように…。


なんだか雲の上にいるような…。

そんな遠い存在になってしまったような気がしていた。



『Excellent』に目を通しつつ、お菓子のクッキーを摘みながら、マグカップに入ったコーヒーを飲むお母さん。

その隣で、わたしはスマホをいじりながら紅茶を飲んでいた。


そんな休日の静かなリビングに――。


「…んぇっ!?」


お母さんの変な声が漏れる。

どこからその声が出たのかと思うほど。


「どうかしたの?」


わたしは、お母さんの顔を覗き込む。


すると、お母さんは雑誌のあるページを何度も指さした。


「見て見てっ!りっくん、好きなコがいるんだって!」


お母さんが読んでいたページに目を移す。
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