クールな幼なじみが本気になったら
「ちげぇよ。朝のしずくとあいつの話が気になってて」


それでクラスメイトに聞いてみたら、わたしとユウヤくんが1週間だけ付き合っているという話を聞いたんだそう。


「俺が撮影でいない間に…そんなことになってるとは思わなかった」

「ごめんね。ユウヤくんの押しが強くて、なかなか断れなくて…」

「だと思った」

「りっくんにも相談しようと思ったんだけど、撮影で忙しそうだから言えなくて…」


1人じゃ断れなかった自分が恥ずかしくて、手をもじもじさせていた。


…すると。


「俺は、それでも相談してほしかった」


りっくんがわたしのあごをクイッと持ち上げ、腕から視線を落とした。


「しずくの話なら、どんなに忙しくたって時間作るから」

「で…でも、わたしがだれかとお試しで付き合うなんて話、聞いてもおもしろくないでしょ…?」
< 50 / 220 >

この作品をシェア

pagetop