クールな幼なじみが本気になったら
ごまかすように視線を逸してみたけど、すぐにりっくんに肩をつかまれてしまった。


「そんなの、仲よくするのは当たり前だろ。しずくの親友なんだから」

「それならよかった。じゃあ、これからも芽依のこと――」

「いや、そういうことじゃなくて」


りっくんは、呆れたようにため息をつく。

そして、「しずくは鈍感だから仕方ないか」と呟いて、話を続けた。


「ハチマキのこともそうだけど、さっきの帰り道もなに?」

「なに…って?」

「俺はべつに、篠田さんといっしょにいたいんじゃない。俺がいっしょにいたい相手は、しずくだけに決まってんだろ」


そう言うりっくんが、ゆっくりとわたしの頬に手を添えた。

その手は、まるで愛おしそうに優しくふわりと頬を撫でる。


くすぐったい。

だけど、どこか心地よい。
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