クールな幼なじみが本気になったら
その音が…りっくんに聞こえちゃうんじゃないかと思うくらい。


まさか、りっくんがわたしのことを好きだったなんて…。

それも、ずっと前から。


…でも、あれ…?

確かりっくん、前に…。


「雑誌のインタビューで、好きな人がいるって答えてなかったっけ…?」


わたしが様子を窺うように顔を覗き込むと、なぜだかりっくんはため息をついた。


「はぁ〜…。ここまで言っても、まだわからない?」

「…えっ。え…?」

「その『好きな人』っていうのが、しずく…お前のことだよ」


わ…わたしっ!?


モデルの律希に好きになってもらえるなんて、女の子なら一度は妄想したことがあるかもしれない。

でも、それは夢のまた夢の話。


だけど、あの雑誌で答えていた『好きな人』というのが…。

まさか…わたしだったなんて。
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