クールな幼なじみが本気になったら
きっとわたしも…りっくんのことが好きだったからだ。


りっくんと同じように、わたしもいっしょにいたいと思う相手は、りっくんだ。


りっくんのそばにいたい。

りっくんじゃなきゃダメなんだ。



「しずくは、…俺のことどう思ってるの?」


りっくんが、わたしの反応を窺うように顔を覗き込む。


そんなかっこいいりっくんに見つめられたら、今までは平気だったのに、今では顔が赤くなってしまう。


「わ…わたしも、りっくんのこと…」


『好き』


そう言いかけて、ハッとした。


『あたし、一目惚れとか初めてかも…!』


芽依が照れながら打ち明けてくれた、あの言葉を。


…そうだ。

芽依は、りっくんのことが好きだったんだ。


もし、今わたしがりっくんに『好き』と伝えてしまったら――。
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