クールな幼なじみが本気になったら
だけど芽依は、一番後ろの5人掛けの席で、他の友達と楽しそうにお菓子を食べている。


わたしの隣には…だれもいない。


わたしの問題なのに、こういうときに限って、りっくんを頼ってしまいたくなる。

前を走るバスの中には、りっくんがいる。


今の孤独な気持ちを打ち明けてしまいたい。


そう思って、りっくん宛てのメッセージを開いたけど…。

わたしは思いとどまった。


りっくんだって、きっとこの林間学習を楽しみにしていたはず。

そんなときに、わたしがこんな話をするだけ迷惑に違いない。


わたしとりっくんは、まだ付き合っているわけではないんだから…。


だから、りっくんには知らせるべきじゃない。


わたしは空席の隣の席で、周りのはしゃぐ声を耳にしながら、寝たフリをするしかなかった。



そして、バスは無事にキャンプ場へ到着。
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