ストーカー幼馴染は彼氏にはなりません!(多分)


ファミレスに到着し、席に着いた私達はしばらく無言が続いた。

「…なにかあったの?」

無言に耐えきれなくなった私はもう一度質問した。


晴人はしばらく黙ってからゆっくりと口を開いた。


「……できた…の?」


え?なんて言った?


俯きながら小さい声で話す晴人の声を聞き取れなかった私。


「もう1回言って?」


そう言うと、初めて顔を上げて私の目を見た晴人。


…覚悟が決まった。みたいな顔。


「彼氏…できたの?」


………え?????


「…それとも好きな人…とか?」


想定外の質問に言葉を失う私。


え、凄い深刻な雰囲気だったじゃん…


え、どういうこと?


「出来てないけど…。どういう…?」

混乱しながら返答した。


私の言葉を聞いてぱあっと明るくなる晴人の顔。


もしかしてこれから深刻な話があるのかも…?

なんて思っていた私が馬鹿だったのかもしれない。

絶対、話はこれだ。


この質問をしに来たんだ。


心配して損した。と思いつつ、何でもなくて良かったと安堵した。


というか…

「なんでそう思ったの?」

わざわざ聞きに来る話でもないだろうし。



「香奈ちゃんが作った詩が…」


…詩?

あ、昨日廉に送った詩のことかな。



「いつもと違ってて、好き…な人出来たのかもしれないと思って…」


真剣な顔でそう言った晴人。

さすがというか、察しがいいと言うか。

たしかに、昔の感情がそのまま乗ってる詩だけど、廉には気づかれなかったのに。


「出来てないよ。あれは…昔書いた詩をリメイクしただけだから」

本当のことを言うか悩みつつ、にごしながら伝えた。

晴人宛に書いたものとは昔のこととはいえ本人には言いずらい。


私の考えていることを読み取ったのか、黙った晴人。


そんな私達の沈黙を破るように電話が鳴った。

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