ストーカー幼馴染は彼氏にはなりません!(多分)
…陽菜からだ。
私は席を離れ、電話を受けた。
『香奈!大変、廉が…!!』
電話先から聞こえる陽菜の焦った声。
何かあったのは直ぐに察した。
私は電話を受けながら晴人の元へ戻りジェスチャーでついてきて!と伝えた。
晴人も察してくれたようで、私達は会計をしてファミレスを出た。
「落ち着いて、陽菜は今どこにいるの?」
『○○病院!廉が倒れて…!』
必死に伝える陽菜。
「今から行くから!」
それだけ伝えると
私と晴人は急いで病院に向かった。
病院に着いた私達は陽菜の元へ急いだ。
「…香奈!!」
陽菜は私に気づいた途端、抱きついてきた。
「陽菜、落ち着いて、何があったか話せる?」
私はゆっくりとした口調で陽菜に問いかけた。
陽菜は少し落ち着いてからゆっくりと話し出した。
「れ、廉がね、急に倒れてね、今、手術…」
話しながら涙を流す陽菜。
「そっか…。1人で不安だったね…。」
陽菜の手を握りながらそう返す。
私は陽菜に寄り添いながら手術が終わるのを待った。
数十分後、陽菜から連絡を受けた廉の両親が病院に到着した。
それからまた、1時間程経った後
廉の両親がお医者さんに呼び出され、話を聞きに行った。
30分程経過しただろうか。
重い空気が流れる。
「陽菜ちゃん」
廉のお母さんが声をかけた。
「お義母さん!廉は!?」
焦る陽菜に優しく笑いかけた廉のお母さん。
「大丈夫だって。手術も無事終わったって先生が仰ってたわ。陽菜ちゃんが早く発見してくれたおかげよ。ありがとう」
陽菜は安心したのか、膝から崩れ落ち、わんわん泣き出した。
私も陽菜を抱きしめながら心から安心した。