ストーカー幼馴染は彼氏にはなりません!(多分)
後日、改めて廉のお見舞いに来た。
数日前に倒れたとは思えないくらい元気な廉。
それを見て幸せそうに笑う陽菜
よかった。本当に良かった。
「これ、お見舞い」
私はそう言ってクッキーを陽菜に渡した。
「あ!私の好きなクッキー!」
陽菜はニコニコしながら箱を開け始めた。
「俺、食べれないんだけど…」
元気とはいえ、入院中の廉は病院食以外食べてはいけないらしい。
「知ってる〜。陽菜に買ってきたの」
しれっと言う私を睨む廉。
「嘘だよ。廉にはこれね」
そう言って渡したのはタブレット。
「この中に30冊くらい漫画入ってるから」
漫画好きな廉にはちょうどいいかと思って兄から借りてきたタブレット。
「お兄ちゃんのだから壊さないでね」
そう言うと
「まじか!サンキュー!!めっちゃ嬉しい!」
大袈裟なくらい喜んでくれた。
「私、紅茶買ってくる!」
クッキーには紅茶がなくちゃ!なんて浮かれた足取りで部屋を出ていった陽菜。
あの時の不安そうな顔を思い出して、再度安心した。
「そういえばさ」
廉が話を切り出した。
「俺、香奈に謝らなきゃいけない事いくつかある」
廉は真剣な顔で続けた。
「新曲、今の状態じゃ晴人と間に入るのは俺も陽菜も無理そう。ごめん。」
何の話かと構えていた私は拍子抜け。
「そんなことか。大丈夫だよ、今は元気になることが先決でしょ」
そう笑いながら言うとほっとした廉。
あれ、でも…
「いくつかって??」