ストーカー幼馴染は彼氏にはなりません!(多分)

『今着いたよ』

陽菜にメッセージを入れ、チャイムを鳴らすとすぐに解錠し中に入れてくれた

「おはよー…!?」

「おはよう。」

陽菜は笑顔で出迎えてくれた

が、私の顔を見た瞬間、怒り出した


「え!すっぴん…!?その格好どうしたの!?それで歩いてきたの!?」

私の家から陽菜たちの家まで徒歩15分程。

「近くだからいいかなーって」

「今日撮影だって言ったじゃん!もー!」

白い肌に血色のいい頬をぷくりと含まらせながら私の化粧を始めた陽菜。

「可愛いなぁ」

怒ってる陽菜を見てついポロッと本音が。

「んんー…。はぁ。もう。」

ため息をつきながら褒められて満更でもない顔をする陽菜。

そういうところが可愛いんだよなぁ。

「なにーー?喧嘩ーー?」

私たちのやり取りを遠目で見ていた廉が口を挟む。

「陽菜が可愛いなって話」

私がそういうと、

「わかる。陽菜可愛いんだよ。」

廉が食い気味に共感してきた。

でもこれは身内びいきなどではなく、本当に陽菜は可愛い。

ふわふわと揺れる少し茶色がかった髪。

大きな瞳と綺麗な二重。

顔は小さく、肌は透き通るような透明感。

ぷっくりとした唇にピンクのグロスが良く似合う。

身長も小さく、『可愛らしい女の子代表』と言っても過言ではないだろう。

高校では先輩後輩関係なく、『ひめ』のあだ名で呼ばれていた

「香奈(カナ)だって綺麗なのにもうちょっとさ!」

すっぴんで来た私に頬を膨らませ文句を言ってる陽菜。

私は陽菜に化粧、ヘアセット、衣装まで準備してもらい撮影を始めた

「香奈のことだからスエットで来るかなとは思ってたけどまさか髪はボサボサ、すっぴんで来るなんて思わないじゃん!」

「だから今起きたって送ったでしょ?」

「でもさー!」

「ごめんごめん、次はもっと早く起きるよ」

「早く起きるだけじゃダメなんだからね!せめて日焼け止めくらいは塗って!」

「はーい」

美容にうるさい陽菜(というか私が無頓着過ぎるんだけど。)とは3回に1回はこの会話をしている。

「じゃあそろそろ時間だからLive始めようか」

陽菜はそういうと撮影部屋へ向かった


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