ストーカー幼馴染は彼氏にはなりません!(多分)
バンド効果もありまた休日には4人で過ごすことも増えた。
もちろん、廉と陽菜のデートを邪魔するわけにも行かないので、頻度は少なめだけど。
しかし代わりに晴人と二人で過ごす時間が増えた。
二人で出掛ける時は必ず家まで送り迎えしてくれるし、車道側を歩くし、荷物は持ってくれるし。
それに子供の頃とは違って泣かなくなったし、駄々をこねなくなった。
大人になったんだなぁと少し寂しくもあり嬉しくもある。
私は晴人が好きだった。
二人で会っている時の晴人の優しい目が好き。
自然に繋がれるようになった手が好き。
私の名前を呼ぶ時の優しい声が好き。
そんな風に会う度に好きが増えていった。
姉目線なのか、違う気持ちなのかはよく分からなかったけれど、一緒にいたいという気持ちは会う度に強くなった。
けれど一緒に時間が増えるほど同時に不安も強くなった。
自分の『好き』が分からない。
晴人の気持ちが分からない。
幼馴染という関係を手放すことはできるのか。
中途半端に気持ちを決めつけて晴人を失うようなことは絶対に嫌だった。
そんなことを考えている頃、妙な噂が耳に入ってきた