When pigs fly〜冷徹幼馴染からの愛情なんて有り得ないのに〜
* * * *

 目を覚ますと、恵那が泰生の胸の上に重なり、ニコニコしながら鼻をつついてくる。

「おはよう。今日は私の方が先に起きちゃった」

 あの頃と変わらない笑顔が、泰生の心に温かい風を吹き込んでくれる。

 泰生は恵那の体を抱きしめた。

「目が覚めてすぐに恵那の顔が見られるなんて夢みたいだ」

 そう言ってから体を回転させ、恵那との位置を逆転させる。泰生は恵那の体をベッドに組み敷くと、彼女の腹部に指を這わせる。

「夢じゃないって確認していいか?」

 恵那は困ったように視線を泳がせてから、小さく頷く。

「……後でスクランブルエッグ、たくさん作ってよね」
「もちろん」

 泰生は頬を緩ませてから、恵那を味わうように唇を重ねた。
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