つぼみ
そう思って、私は5日ほどお水を飲まなかった。頭がぼっとしていると、
「久しぶり、さくらちゃん。」
「たんぽぽちゃん!?」
変わらないたんぽぽちゃんの姿に驚く私。あの頃の白いたんぽぽちゃんのままだ。
「わた毛になって帰ってきたの。急にいなくなっちゃってごめんね。」
「うん、寂しかったよ。たんぽぽちゃん。」
「本当に寂しい思いをさせてごめんね。でも、この世界からいなくなろうとしちゃダメだよ。」
「…うん、ごめんなさい。みんなお花を咲かせておとなになっていくのに、私だけつぼみで子どものままだから焦っていたの。」
「そうなんだね。でも、大丈夫なんだよ。色々な所を旅したけどさくらちゃんと同じような子がたくさんいた。つぼみのままで焦っている子たくさんいたよ。だからね、みんななかまなの。焦らなくていいんだよ。これからはふたりで前をむいていこう?」
「うん、ありがとう。」