あなたと生きたい
第一章〜二話〜
錯乱状態のりかに代わり、すぐに由美は警察に通報した。 間もなく警察がかけつけ、40歳くらいの男が由美に警察手帳を差出した。男の名前は本多警部。さっそく、由美は事件を話し始めた。 『おねぇの部屋から急に叫び声がして』 『直前に部屋で物音は?』『たぶん、しませんでした…』 捜査本部に戻った本多警部は、タバコに火をつけながら首をひねった。足の指が根こそぎ切断されているのに、出血がない。どんなに切れる刃物でも これほど綺麗には切れない。そもそも指の骨が簡単に切れるはずがない。出来たとしてもりか本人が気付くだろう…