弁護士は逃げる婚約者を離したくない

第２話＊弁護士の意外な一面

私は婚約破棄をしたいと申し出たはずだ。

口裏もちゃんとあわせて婚約破棄をすることを提案したはずだ。

しかし、
「何でこうなってるんだ…」

待ちあわせ場所に向かっている最中だが、いろいろと思うことがあったので立ち止まった。

本日は週末、いつもだったら昼近くに起床してスマートフォンで動画サイトを見ながらゴロゴロする…のが定番なのだが、今日は違う。

何故なら、今日は宇大のヤツからデートに誘われたのである。

「今週末は予定はあらへんのやんな？

ほなデートしよ」

あの予想もしなかった展開の翌日の昼休みに私を指名してきたかと思ったら、宇大はそんなことを言ってきたのである。

「と言うか、予定がない前提なんかい」

もうどうしろと言う展開なんだ、これは。