弁護士は逃げる婚約者を離したくない
宇大がカフェを出たその後は本当に大変だった。

同僚から知りあいだったのかとかつきあっていたのかとかといろいろと聞かれたり冷やかされたりとめちゃくちゃだった。

「何でこうなってるんだ…」

先ほどのセリフを、もう1度呟いた。

ピンクのチェック柄のシャツに黒のスカーチョ、足元は黒のミディアムブーツと言うコーディネートで決めた私は息を吐いた。

婚約破棄をしたいから宇大に婚約破棄を持ちかけたはずだ。

それなのに、破棄される理由がわからないと言われたうえに断られてしまった。

「いや、理由くらいわかってるでしょうよ!

つきあっている人がいるんだったら婚約なんてマズいでしょうが!

これじゃあ、二股になっちゃうよ!

弁護士が二股なんかしたらダメでしょうが!

と言うか、職業がどうとかこうとかよりも人としてどうなのよ!」

我ながらどこのお笑いトリオの1人なんだと言うテンションである。
< 17 / 82 >

この作品をシェア

pagetop