弁護士は逃げる婚約者を離したくない
館内を見て回ると、おみやげコーナーへと顔を出した。

「わーっ、かわいい」

中サイズのメンダコのぬいぐるみを手に取った私に、
「おーっ、フカフカやな」

小サイズのメンダコを両手でモフモフしている宇大が言った。

ぬいぐるみを手にしているだけだと言うのに絵がとてもキレイだ。

改めて顔がいい…と言う感想を呟くのは、今日で何回目になるのだろうか?

そう思っていたら、
「それ、買うたろうか?」
と、宇大が言った。

「えっ…いや、別に…これくらい、自分で買いますので…」

「彼女へのプレゼントくらい、僕に買わして」

宇大は私の手からメンダコを奪うと、それをレジへと持って行った。

「か、彼女って…」

その後ろ姿を見ていたら何だか照れくさくなって呟いた。
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