弁護士は逃げる婚約者を離したくない
と言うか、
「何でおそろいにする必要があるんですか?」

私は聞いた。

「君好きやさかい…に決まってるやん」

宇大は私の質問に答えた。

「わ、私が好き?」

「子供の頃からずっと好きやったし、ずっと恵麻ちゃんに会いたかってんよ」

宇大はそう言って優しく微笑んだ。

へえ、こんな顔もするんだ…と、私は思った。

「そやさかい恵麻ちゃんに会えて嬉しいし、こうして一緒におるだけでも楽しい思てる」

「う、宇大さん…」

恋愛になれていない私は、どうすればいいのかわからない。

こんな時は何を言えばいいのだろうか?

どうやって返事をすれば正解なのだろうか?

そう思っていたら、
「あれ、宇大くんじゃん!」

その声に視線を向けると、宇大と一緒にいた女性が目の前にいた。
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