弁護士は逃げる婚約者を離したくない

子供の頃から少女漫画やケータイ小説を嗜んでいたせいもあってか、私は恋愛結婚に憧れを抱いていた。

大きくなったら素敵な彼氏ができて、その彼氏と結婚することを常に夢見ていた…こともあり、２５歳になった今でも結婚は愚か彼氏もいないうえにつきあった男もいないと言う現実である。

それなのに、お互いの祖母同士が仲良しだっからと言う理由で両親から許嫁を紹介されたと言う訳である。

と言うか、許嫁とか婚約者って時代遅れじゃないか？

昭和じゃあるまいし…と、私は呆れてツッコミを入れたくなった。

「母さん」

とっとと帰って最近ハマっている韓国ドラマが見たいな、ヒロインは誰と結ばれるのか気になるなと思っていたら、宇大が自分の母親に声をかけていた。

結構いい声だなと心の中で呟いていたら、
「僕、恵麻ちゃんと２人で話をしてもええ？」
と、宇大は言った。