弁護士は逃げる婚約者を離したくない

「とにもかくにも、まずは説明だけして欲しい」

口を開いた後で、宇大は言った。

「理由も何にもわからへんまま、婚約破棄するのんは後味悪過ぎる」

さすがに理由を話せば宇大も理解して婚約破棄の話を受け入れてくれるだろう。

私はそう判断すると、
「わかりました」
と、返事をした。

「婚約破棄する理由を説明すれば、ちゃんと婚約破棄をしてくれるんですね？」

続けて言った私に、
「…もちろん、その時は受け入れんで」

躊躇しながらではあったが、宇大は返事をしたのだった。

今日の仕事終わりにここへくると宇大は約束を取りつけると、アイスコーヒーとチーズとハムのサンドイッチをテイクアウトをしてここから立ち去ったのだった。

宇大が立ち去った後で、私がいろいろといじられたのは言うまでもない。