弁護士は逃げる婚約者を離したくない
「デート…はこの間したか」

あれを“デート”と呼んでいいものなのかどうかわからないけど。

「恵麻ちゃんは何がしたいん?」

そう聞いてきた宇大に、
「まあ、その…ショッピングしたりとか、スイーツを食べたりとか、いろんなところで遊びたい?」
と、私は答えた。

何で疑問形になってしまったのかは自分でもよくわからないけれど。

と言うか、いろいろと中途半端だな。

「ああ、なるほどな」

そんな中途半端な答えだったのに宇大は首を縦に振ってうなずいた。

「要するに、僕といろいろなことしたい…言うことでおうてるんやんな?」

「そ、そうなるんじゃないですかね…?」

いや、だから何で疑問形なんだ。

もう私も私で何なのかよくわからないけれど、宇大は理解してくれたみたいだ。
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