弁護士は逃げる婚約者を離したくない
『不思議な夢を見ました』

そう前置きをすると、メッセージを送った。

『川沿いのベンチに1人の男の子が座っていました

その男の子は、あなたと同じ瞳の色をしていました

私がその目の色を褒めると、彼は泣きながら「ありがとう」と言いました

そんな夢でした』

「送信、と…」

作成したメッセージを送ると、スマートフォンを枕元に置いた。

宇大からして見たら何のこっちゃ、何の話だと思うけれど…まあ、夢の話だから。

「寝るか」

そう呟いたのと同時に、スマートフォンが震えた。

えっ、何だ?

そう思いながらスマートフォンを手に取って確認をすると、宇大からメッセージがきていた。

『それ、ホンマなん?』

そのメッセージの内容から宇大が驚いているのがわかった。
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