弁護士は逃げる婚約者を離したくない
『本当です』

私が返事をすると、メッセージがすぐにきた。

早いな、おい。

仕事してるんじゃないのかよ、暇なのかよ。

心の中でツッコミを入れながら、私はきたばかりのメッセージを読んだ。

『恵麻ちゃんの体調がようなってからでええんやけど、僕と一緒にきて欲しいところがあるんや』

『一緒にきて欲しいところですか?』

『そこで恵麻ちゃんといろいろな話がしたい』

一体、何を話すと言うのだろうか?

『わかりました』

多少の疑問を感じながらも、私は返事をした。

『待ってるさかい』

宇大から返事が返ってきたのを確認すると、スマートフォンを枕元に置いた。

「待ってるって…」

宇大は何を待っているのだろうか?

そう思いながら、ベッドのうえで横になった。
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