弁護士は逃げる婚約者を離したくない
昼休み、宇大がカフェに来店してきた。

「ホンマに元気になったみたいでよかったで」

私の姿を見た宇大はそう言った。

「ええ、よくなりました」

そう返事をした私に、
「恵麻ちゃん」

宇大は私の名前を呼んだ。

「早速やけど、今週末は空いてるかいな?」

そんなことを聞いてきた宇大に、私は目を丸くした。

「どないしたん?」

「えっ、いや…」

珍しい、宇大が私に予定を聞いてきている。

予定がない前提で話を進めてくる宇大が予定を聞いてくるなんて…来週は台風でもくるんじゃないか?

「特に何もありません」

私の答えに宇大は嬉しそうに笑うと、
「恵麻ちゃんと一緒にきて欲しいところがあるんや」
と、言った。

そう言えば何かそんなことを言っていたな。
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