弁護士は逃げる婚約者を離したくない
頭の片隅でほったらかしになっていた婚約破棄を出そうかと思った時、
「婚約破棄は許さへんで」
と、宇大に先を越された。

「いや、何で!?」

人の頭の中を読んだよね!?

「言うか、もう婚約破棄は考えなぎなはれ」

宇大はやれやれと言うように息を吐いた。

「それじゃあ…」

私は話を切り出すと、
「来週、先延ばしになっていたデートをしませんか?」
と、言った。

「えっ、ええの?」

そう聞き返してきた宇大に、
「ええも何も、最初からそのつもりだったじゃないですか」
と、私は言い返した。

「よし、わかった!

まずはどこへ行くか決めよう!」

そう言った宇大の顔はとても張り切っていた。

私が宇大を好きになるのも、彼と結婚するのも時間の問題なのかも知れない…と、彼の顔を見ながらそんなことを思った。

☆★END☆★
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