絶望のち愛
「また、明日ね」
「気を付けて帰ってね」
寮に住む部員は、バスに乗り体育館を出発し、
自宅組の私とあんは、歩き出した。
体育館から自宅までは、歩いても20分ほどだ。
あんとは、幼稚園からの親友。
私は、幼稚園の時から、友達より頭1つ分背が高く、
いじめられていた。
そんな時に、「背が高くてかっこいい」と、一緒にいてくれたのがあんだ。
小学生になっても背が飛びぬけて高い私に、「一緒にバレーやろうよ。ママがやっているからやろうよ。」と、バレーを勧めてくれた。
「背が高いから、うらやましい」バレーを始めたあんと私。平均的な身長のあん、いつも私の身長を羨ましがってくれた。
中学になり、私の身長はとうとう170㎝を超えた。あんは、155㎝くらいだった。
一緒にバレーボール部に入り、練習、試合に明け暮れた。中学の大会で、あんと私は、全国大会に出場することが出来たが、一回戦で負けてしまった。
高校には、バレーボールで進んだ。あんも一緒だ。
178㎝になった私と、やっと160㎝になったあん。
一緒のチームであんはセッター、私はアタッカーとしてユニフォームを着る事が出来、
春高バレーに出場。
決勝戦では勝てず、準優勝となった。
銀メダルを手にしても、全く嬉しくなく、全国で一位になるのを目標に
あんと私は、大学でもバレーボールを続けた。
4年生最後のインカレ。
順調に勝ち進んで、今日は準決勝で勝つことが出き、
明日は、決勝戦。