絶望のち愛
「まゆ、とうとう日本一になれる時が来たね」
「あんが一緒にいてくれたから、頑張れた。明日も勝とうね」
「まゆが一緒にいてくれたんでしょ。まゆなら、私とじゃなくてももっと上の大学に入って、もっと楽に勝てたかもしれないのに。」
「あんが一緒じゃなきゃ、ここまで来てないよ。ほんと。」
あんと、おしゃべりして帰る帰り道。
交差点で信号待ちをして、向かい合って明日の作戦を話していたら、
ライトが目に入った。
えっ?車がこっちに来る。
あんには、車が見えてない。
とっさに、あんの手をひき、車道の反対側に飛び込んだ。
キキー
ガシャン
キャー