絶望のち愛
交差点で、私はあんの手を引き、車を避けようとしたが、
避けきれず、車にぶつかられたようだった。
右足を骨折。頭も打ったらしく、気を失っていた。
右腕もヒビが入っていて、ギブスが巻かれていた。
しばらく入院し、治療とリハビリが必要だということだった。
事故にあってから、
意識を失っていて、気がついたのは3日後。
すでに、決勝戦は終わっていた。
試合にも出れず、
足も折れていて、動けない。
絶望を感じた。
看護師さんが、廊下で話している。
「中村さん、かわいそうよね。もしかしたら、ちゃんと歩けるようにならないかも知れないんだって」
「まだ、大学生なのに。それも、バレーボールの選手だったみたいよ。」
「それは、もっとかわいそうだわ。バレーは無理ね。」
決勝に出られなかっただけじゃなくて、
歩けないの?
バレーもできない?