紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】
和泉さんが教えてくれるお食事処はどこも漏れなく私の好みドンピシャだし、デートも楽しい。
帰りは必ず家まで送ってくれて、(タクシーの時もあれば和泉さんの車の時もある)
"大好きだよ。おやすみ"
と、最後にはおでこにひとつ、キスを落として帰って行く。
全てを打ち明けたあの時、和泉さんが"無理に好きって気持ちを分かろうとしなくていい"と言ってくれたおかげで、気持ちを返せない心苦しさだとか、変な焦りはなくなったけれど。
……おでこに、と言えどキスだけは正直毎回心臓に悪くて困る。
あの日からさらに甘さを含んだように感じる和泉さんは、どうやら本当に私を全力で落としにかかっているらしい。
そしてあのキスを教訓に、私は例えばデートに掛かる費用だとか、諸々を和泉さんに素直に甘えることにしたのだった。