紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】
「ううん、僕も会えて嬉しかった。じゃあ、社長怒らせると面倒臭いから、そろそろ行くね。また落ち着いたら連絡するから、その時は今度こそ一緒にご飯食べよう」
「……はい」
そうして去って行く車が見えなくなるまで見送ったあと、私はがっくりと肩を落とす。
……言えなかった……。
言えなかったよ、珠理ちゃん……。
あんなにいろいろと協力してもらったのに……。
自分の不甲斐なさにはほとほと呆れてしまう。
でも次は……!次こそは絶対に言う……!
その時の私はそう、固く決意したのだけど……。
ーーーーこの日、和泉さんにきちんと気持ちを伝えられなかったことを私がのちのち死ぬほど後悔することになるなんて、この時の私は知るよしもなかったのだったーーーー。