紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】
初デートは、心臓に悪いことばかりです
あの飲み会から数日後。
世間はゴールデンウィークに突入した。
でも大体の人が浮き足立つそれも、私に掛かればただの休日と何ら変わりない。
私の休日は、大体家の中で完結する。
就職したのと同時に住み始めたワンルーム6畳のアパート"ハイツ・グリーン"は、会社まで電車で1本で行ける所にあるレトロな外観の木造2階建て。
……レトロと言えば聞こえはいいが、まぁぶっちゃけ古いってことなんだけど。
でも家賃は安い上に、近くにコンビニやスーパー、薬局などもあり住環境は整っていてとても住みやすく、この手狭な感じも気に入っている。
今日もそんなハイツ・グリーンの2階、201号室で掃除、洗濯を済ませ昼食も軽く食べた後、私はベッドに寝そべりながらゴロゴロとスマホゲームをしていた、はずなのだけど。
「もしもし?灯ちゃん?」
突然手の中のスマホから聞こえて来たその声に、私は一瞬フリーズした。
……今、何が起こっている?私はスマホゲームをしていたはずなのに、あろうことかそのスマホから和泉さんの声が聞こえてくる……⁉︎
あまりの驚きにボト、とベッドにスマホを落としてしまった。
……どうやら敵を倒すためにスマホを思いっきり連打していた私は、着信に気づく前に応答ボタンをタップしてしまっていたらしい。