紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】





「おはよう、灯ちゃん」

「お、おはようございます!すみません、お待たせして……!」

「大丈夫、全然待ってないよ。まだ約束の時間5分前だし、僕も今来たところだから」


水曜日。約束の時間5分前に駅前に着くと、すでに和泉さんは到着しており、車にもたれて立っていた。

車に疎い私でも知っているエンブレムを付けた黒塗りの高級車プラスイケオジの和泉さんという組み合わせは、この各駅停車しか停まらないような小さな駅前のロータリーでかなり目立っていた。

特に居合わせた女性たちからは並々ならぬ視線を集めている。

確かにシンプルな白Tシャツにネイビーのカーディガンをサラッと羽織り、下は程よく緩さのあるシルエットの綺麗な同系色のパンツを着こなした和泉さんはイケオジ具合が際立っていた。まるで雑誌から飛び出して来たモデルみたいだ。

スーツ姿しか見たことがなかったけれど私服だと余計に若く見えるし、車にもたれているその姿だけで絵になってしまう。

つい気後れして数歩手前で止まっていれば、私に気付いた和泉さんが声を掛けてくれて冒頭へと戻る。

う……、周りの視線が痛い……。
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