紳士な副社長からの求愛〜初心な彼女が花開く時〜【6/13番外編追加】
ちょっと近づくそんな夜?です
「うわー、何ですかそれ……!何かもう初々しくてきゅんきゅんしちゃうんですけど……っ!」
気がつけば、珠理ちゃんが目の前で顔を覆って悶絶している。
「……え?あれ?私、今頭の中で整理してたはずなんだけど……」
「いえ、普通にダダ漏れでした」
「………。」
「そうですかそうですか。そういう訳で灯さん朝から様子がおかしかったんですねぇ、ふふふ……」
……どうしよう。ダダ漏れだったらしい。
でもまぁそうなのだ。そういう訳なのだ。
実はあの後、和泉さんからは"ありがとう"と一言メッセージが届いたけれど。
伝わって良かったと思う反面、自分らしくないあの衝動的な行動がやっぱり顔から火を吹くほど恥ずかしくて。
だから今朝、和泉さんから仕事終わりのデートのお誘いメッセージが届いた時、文面上は落ち着いて了承したものの内心大慌てで。
私は今日一体どんな顔をして和泉さんに会えばいいんだと、再び頭を抱えてしまったのだ。
「ところで灯さん、今日イケオジとの待ち合わせは何時ですか?」
「……一応、18時半に会社の近くまで迎えに来てくれることになってるけど……」
「ほぉー、お迎えに……」
もはや、珠理ちゃんの頬の緩みが止まらない。