NIGHT&KNIGHT
「……いいんだよ、生きてても」
「っ、」
よるくんが微笑む。
「休んでから、それからすこしずつ考えていこう」
「よるく、」
長い睫の影を頬に落として。
「どうしたらいいか一緒に考えていこうぜ」
「よるくん……」
そうして、また、わたしを見た。
「まぁまずは休め!ったく、お前は頑張りすぎなんだよ。俺が22のときなんてなぁ、まだ親のすね囓ってるクソガキだったっつーの!写真見るか?」
そのとき────ずるり、と。
手すりから手が離れたわたしは、ベランダの内側でぺたんと座りこんだ。
「……よるくん」
「うん」
「よるくん、わたし、わたしっ……」
──────生きててもいいの?
──────迷惑じゃ、ないの?