NIGHT&KNIGHT
light
◇
「……よるくん。も、だいじょうぶ」
ひとしきり泣いたあと、なんだかいまさら恥ずかしくなって。
身を離そうとしたわたしの背中に腕がまわった。
「や、待って。もうちょっと抱き締めさせて」
「ど、どうして……!?」
「俺がそうしたいから」
べつに変な意味はないだろう。ないと思う。
……たぶんない。
ただぎゅっと、つよく、ひときわ強く、よるくんはわたしを抱き締めたあと。
すこしして「よし」とわたしから身体を離した。
「さすがにずっと外にいると寒くなってきたな。そろそろ入ろうぜ」
「……ん」
「つか、いま何時? 3時かー」
なんか腹減らねぇ?と。
よるくんが目を向けたのは、地面に落ちているキャンディだった。