消えないで…僕の初恋
「姫野さん、ちょっといい?」
「渚くん?」
「失恋したって、どういうこと?」
「えっと……それは……」
いつもニコニコの僕が
低い声で姫野さんを
睨みつけているからだろう。
姫野さんを挟むように座る
結城さんと金田さんが
「渚くん、いきなり何?」
「いつもと違い過ぎて
怖すぎなんだけど」
と言いながら
僕を睨み返してきた。
わかっている。
冷静にならなきゃって
ことも
これ以上、姫野さんに
怖い声をぶつけたら
嫌われるってことも。
それなのに
本当に僕は
姫野さんのこととなると
自分の感情さえも
コントロールできなくなってしまうんだ。