消えないで…僕の初恋


お互い無言。


うつむき足元を眺めているのは
私だけじゃなくて
渚くんも同じみたい。


この気まずい空気を
なんとか吹き飛ばさなきゃ。


「えっと……」


緊張のゲージがたまりすぎて
頭が真っ白だよ。



「僕の伝えたいこと……
 話してもいい?」


「あっ、うん」


「僕の告白……

 なかったことに
 しないで欲しい……」



ちょっと待って。

あれは罰ゲームでしょ?



「田辺先生が好きだって
 誤解してたこともごめん」


「わかってくれたなら
 いいけど……」


「僕ね
 結城さん達に怒られたよ。

 姫野さんが
 先生を好きなわけないって」


そっか。二人が渚くんに
伝えてくれたんだ。


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