消えないで…僕の初恋
バスの中で男4人に囲まれ
体を触られた?
それが私だったら
恐怖すぎて「助けて」と
叫べないと思う。
でも、なんでだろう?
「なんで亜美さんは
バス通学をしなきゃいけない
この高校を選んだの?」
それって……
「渚くんと一緒の高校に
通いたかったんじゃないの?」
「違うよ。
彼女にとってこの高校は
夢を叶える通過点」
亜美さんの夢?
「でも家から遠いし
バスで通学するしかない。
だから亜美の両親は断固反対。
家から近い高校を
両親に勧められても
亜美は顔を縦に振らなくて
絶対に折れない亜美を見て
僕と亜美の親が提案してきたんだ。
僕が3年間
亜美と一緒に登下校するなら
この高校を受験してもいいって」
「……」
「僕もそれに従ったよ。
亜美と一緒に登下校すれば
助けられなかった自分の罪も
軽くなる気がしたからね」
だから渚くんは
亜美さんと一緒に
高校に通ってたんだ。