もしも半分生きた人生をやり直すことができたら。
翌朝、泣き疲れて眠ってしまったわたしは、関口からの着信で目を覚ます。

「・・・あい」

『あ、浜根おはよう。休みの日にごめん』

「ううん。どしたあ」

『明日高校生の社会見学あるから受付がスッピンでくんなよって部長が言ってたよーって周知』

「・・・・あ、もう明日だったんだ・・・わかった。教えてくれてありがとう。いつも通りスッピンでいくつもりしてたわ」

『浜根は美人だからね』

「関口好き・・・」

『へへ!わたしもー!声聞けてよかった!んじゃ、切るね』

「ありがとう。仕事頑張れ」

『また明日ね』

この日、わたしは関口からの朝電話に心救われたのだが、部屋に一人でいると寂しくなって、どうしようもないため、冷蔵庫に優作用に常備していたビールや缶チューハイをお昼を過ぎたあたりから飲み始めた。

その日は夕方の六時以降から雨が降り出す予報が出ていた。
うとうとして眠ってしまったわたしが、次に目を覚ましたのは、午後八時半を回っていた。

「飲みなおそう。コンビニ行くか~」

冷蔵庫にお酒もおつまみもないことを確認して、寝間着のまま、玄関を出る。
五階のハイツから空を見ると、雨はぱらぱらと小雨だったので、傘も持たず家を出る。

「どこかの晴れ女さん感謝」

酔っていたこともあり、足取りはおぼつかなかったが、わたしが住むハイツからコンビニまでは五分もかからないところにあるので、雨に濡れず帰れるだろうと思っていた。

今日、起きてからはじめて外の空気を吸った。
空気は澄んでおり、とても呼吸が楽でしやすい。

コンビニでお酒とおつまみを購入し、そそくさと来た道を戻る。
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