もしも半分生きた人生をやり直すことができたら。
「・・・・以上が貴女がもし、やり直すことを選ばなかった場合のお話です。しかし、貴女は泥酔し、階段から滑り落ちて死亡している為、遺体にかなりの損傷がありました。きっと闇の神テネと龍の神ドラは許さないでしょう。さて、どうなさいますか?」

脅しじゃねえか。

・・・でも、確かにもう一度やり直せるなら、同じ失敗なんて2度としないかもしれない。
笑って生きてたかもしれない。

もう一度。
どんなことがあったとしても、やり直してみたい!

・・・・・過去、やり直します。

「分かりました。戻れる過去のスタート位置は私が決定しますが、貴女がこの世で1番後悔した出来事が起こる少し前から始まります。もう2度と選んだ選択肢に後悔が無いよう生きてほしいです。貴女が生きてる間は声を掛けることはできませんが、私はずっと貴女を見ていますからね。」

はい。

「・・・ただ、ソルソーラという太陽の神に気づかれてしまうと、身体に 「*」(アスタリスク)と呼ばれる生涯人間には消すことができない神の禁止マークが刻まれてしまいます。」

禁止マーク?

「時空を行き来したり、過去や未来を変えたり、死者を生き返らせたりする行為は人間には決してできないことです。神の領域に踏み込んだ行動はご法度と言われています。神はこの世全てを管理しているのですが、全ての生きものを監視し続けるのは不可能です。罪を犯したものを一瞬で識別する為、身体の一部に*のマークが刻まれます。これは生まれ変わっても決して消えない印になります。そして、破滅の言葉とされている 「finis」(フィーニス)とソルに言われてしまうと、現実世界に引き戻されてしまいます。わたしが貴女を1度生き返らせるので、死んだ未来には進みません。しかし、2度と過去に戻ることはできません。ソルは必ず、貴女の1番近しく、大切な者にすり替わり、貴女に近づき、未来に連れ戻すでしょう。太陽が出ている時間だけは気をつけてください。ただし、ソルは明らかな過去の歪みにしか気付けない鈍感さがあるので、少しずつ過去を修正して行ってくださいね。貴女が望むのなら、力を与えますが、どうしますか?」
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