もしも半分生きた人生をやり直すことができたら。
25歳でわたしは死んでしまったみたいだけど、生きている間に1度は過去をやり直したいとか、あの日に戻りたいとか、後悔したことは山の数ある。
何億って人がいる中で、たまたまわたしのことを見ててくれていた神様がこうも言ってんだから、やってみよう。
やってみたい。
人生のやり直し。
やり直して、幸せな未来を生きていく。
もう絶対に間違わない。


「では、はじめます。貴女が次に瞼を開けたときが「過去のスタート位置」になります。ただ、私は完璧な神ではないので、貴女が覚えている記憶が少し断片的になるかもしれません。その時は貴女の記憶の中で過去に戻って思い出してみてください。貴女の幸せを心からお祈りしています。いってらっしゃい。」

温かい光の中に冷たい空気が流れ込む。
ぷかぷか宙を浮いているような感覚で目を覚ます。


懐かしい母の声がした。
< 33 / 46 >

この作品をシェア

pagetop