「会いたい」でいっぱいになったなら
試合の結果は3位。
試合自体もとても楽しくて、試合後の飲み会は盛り上がった。
たくさん食べて飲んで、おしゃべりして。楽しい時間だった。
飲み会が終わるといつものように健に送ってもらう。
フットサルをする時はいつも、荷物があるからと健は車で来る。
家が通り道でもないのに、大学の後輩でもある私はいつも車で送ってもらう。
今回はコウさんも一緒だった。
コウさんの住むマンションは私のアパートの近くなんだそうだ。
私が助手席に乗り、後部座席にコウさんが乗った。
3人で話す話題は楽しくて、アッという間にコウさんのマンションに到着した。
「今日はありがとうございました。楽しかったです」
「こちらこそ、ありがとうございました。また、ご一緒しましょう!」
「ぜひ、お願いします。美琴ちゃんもまたご一緒しましょう」
「はい!よろしくお願いします」
コウさんとマンションの前で少しだけご挨拶をして別れた。
コウさんのマンションを後にして、近くのコンビニに寄る。
「ねえ健。私、一緒に降りなくてよかったの?」
「降りなくていいよ」
コウさん家経由でうちに行くと少し遠回りになるのだ。
コウさんのマンションの前で降りて近道の階段を登れば、歩いて3分でうちに着くくらい近かった。
大通りをぐるっと車で回る道順だとむしろ時間が掛かってしまうはずだ。
「ここで美琴を降ろすとコウさんが美琴を送っていくことになるだろ?」
「ならないでしょ?」
「なるの!」
「コウさんはいい人だけど、さすがにこんな時間に美琴と二人きりとか、ダメだろ」
飲み物を選びながら、健は横目に美琴を見た。
「なるほどー。そういうものなのかあ・・・」
遠くを見つめて頷いていると、健が頭をポンと小突いた。
「美琴は油断しすぎ。もう少し自覚を持ちなさい」
「はい!」
健は困ったように笑いながら小首をかしげた。
「昔っから返事だけはいいよね。でもちゃんとわかってんのかなあ」
「わかってるよ!こんなでも女の子って事でしょ?」
健は背後から美琴の耳元に顔を近づけて
「違う。美琴は自分がかわいいって自覚してください」
と小声で言った。
びっくりして耳元に手をやり、がばっと健に振り返る。
私は顔が真っ赤になっているに違いない。
ものすごく顔が熱い。
恨めしそうに健を見つめたが、まったく気にしていない様子の健に少し悲しくなる。
「ここ、邪魔になってるよ」
健は美琴の腰に手を当て、私の目の前にある水が欲しそうに隣に立っている男性から距離を取らせた。
健には故意はないと分かってはいたけれど、健の息がかかった耳元や、触れている腰が熱くなるのを感じて、顔が赤くなるのを止めることができなかった。
試合自体もとても楽しくて、試合後の飲み会は盛り上がった。
たくさん食べて飲んで、おしゃべりして。楽しい時間だった。
飲み会が終わるといつものように健に送ってもらう。
フットサルをする時はいつも、荷物があるからと健は車で来る。
家が通り道でもないのに、大学の後輩でもある私はいつも車で送ってもらう。
今回はコウさんも一緒だった。
コウさんの住むマンションは私のアパートの近くなんだそうだ。
私が助手席に乗り、後部座席にコウさんが乗った。
3人で話す話題は楽しくて、アッという間にコウさんのマンションに到着した。
「今日はありがとうございました。楽しかったです」
「こちらこそ、ありがとうございました。また、ご一緒しましょう!」
「ぜひ、お願いします。美琴ちゃんもまたご一緒しましょう」
「はい!よろしくお願いします」
コウさんとマンションの前で少しだけご挨拶をして別れた。
コウさんのマンションを後にして、近くのコンビニに寄る。
「ねえ健。私、一緒に降りなくてよかったの?」
「降りなくていいよ」
コウさん家経由でうちに行くと少し遠回りになるのだ。
コウさんのマンションの前で降りて近道の階段を登れば、歩いて3分でうちに着くくらい近かった。
大通りをぐるっと車で回る道順だとむしろ時間が掛かってしまうはずだ。
「ここで美琴を降ろすとコウさんが美琴を送っていくことになるだろ?」
「ならないでしょ?」
「なるの!」
「コウさんはいい人だけど、さすがにこんな時間に美琴と二人きりとか、ダメだろ」
飲み物を選びながら、健は横目に美琴を見た。
「なるほどー。そういうものなのかあ・・・」
遠くを見つめて頷いていると、健が頭をポンと小突いた。
「美琴は油断しすぎ。もう少し自覚を持ちなさい」
「はい!」
健は困ったように笑いながら小首をかしげた。
「昔っから返事だけはいいよね。でもちゃんとわかってんのかなあ」
「わかってるよ!こんなでも女の子って事でしょ?」
健は背後から美琴の耳元に顔を近づけて
「違う。美琴は自分がかわいいって自覚してください」
と小声で言った。
びっくりして耳元に手をやり、がばっと健に振り返る。
私は顔が真っ赤になっているに違いない。
ものすごく顔が熱い。
恨めしそうに健を見つめたが、まったく気にしていない様子の健に少し悲しくなる。
「ここ、邪魔になってるよ」
健は美琴の腰に手を当て、私の目の前にある水が欲しそうに隣に立っている男性から距離を取らせた。
健には故意はないと分かってはいたけれど、健の息がかかった耳元や、触れている腰が熱くなるのを感じて、顔が赤くなるのを止めることができなかった。