「会いたい」でいっぱいになったなら
この日はコウさんとショッピングモールに買い物に出かけていた。
人の多さに「迷子になるぞ」と手を繋いで歩いていた。
「ならない」と言ったけど、鼻で笑われた。
まあ、初対面の時迷子だったのだから信じてもらえるわけがない。
コウさんの大きな手にぎゅっと握られて、守られてる気がして、私は幸せだなって思った。
二人でエスカレーターに立つ時は、いつも私が一つ上の段に立っていた。
上りの時は私が先に。
下りの時はコウさんが先に立つ。
そんな気遣いがくすぐったかった。
そして、今ものぼりのエスカレーターで私が一つ上に立っている。
振り返ると、ちょうどコウさんの目の高さと、私の高さが同じになった。
「コウさん」
じっとコウさんを見つめる。
「ん?どした?」
コウさんが少し小首をかしげる。
私は恥ずかしくて、少し目を逸らして小さな声で言った。
「あのね。好き・・・よ?」
とても小さな声で。
でもはっきりとコウさんに聞こえるように言ったけど、聞こえたかしら?
コウさんの顔を見る。
コウさんはじっと私を見ている。
私は恥ずかしくて、照れ笑いをしてしまう。
「聞こえた?」
コウさんは満面の笑みを浮かべて
「聞こえた」
と言い、私を抱きしめた。
抱きしめられたことに気を取られて、エスカレーターを降りるときにつまずいてしまった私を、器用に抱き上げて降ろしてくれた。
コウさんは腕の中に私を包んだまま、
「嬉しすぎる。美琴が大好きだよ」
と囁いた。
人の多さに「迷子になるぞ」と手を繋いで歩いていた。
「ならない」と言ったけど、鼻で笑われた。
まあ、初対面の時迷子だったのだから信じてもらえるわけがない。
コウさんの大きな手にぎゅっと握られて、守られてる気がして、私は幸せだなって思った。
二人でエスカレーターに立つ時は、いつも私が一つ上の段に立っていた。
上りの時は私が先に。
下りの時はコウさんが先に立つ。
そんな気遣いがくすぐったかった。
そして、今ものぼりのエスカレーターで私が一つ上に立っている。
振り返ると、ちょうどコウさんの目の高さと、私の高さが同じになった。
「コウさん」
じっとコウさんを見つめる。
「ん?どした?」
コウさんが少し小首をかしげる。
私は恥ずかしくて、少し目を逸らして小さな声で言った。
「あのね。好き・・・よ?」
とても小さな声で。
でもはっきりとコウさんに聞こえるように言ったけど、聞こえたかしら?
コウさんの顔を見る。
コウさんはじっと私を見ている。
私は恥ずかしくて、照れ笑いをしてしまう。
「聞こえた?」
コウさんは満面の笑みを浮かべて
「聞こえた」
と言い、私を抱きしめた。
抱きしめられたことに気を取られて、エスカレーターを降りるときにつまずいてしまった私を、器用に抱き上げて降ろしてくれた。
コウさんは腕の中に私を包んだまま、
「嬉しすぎる。美琴が大好きだよ」
と囁いた。