「会いたい」でいっぱいになったなら
「で、美琴はコウさんと付き合ってるんだって?」
「あ。うん」

「・・・」
「・・・」

「美琴は俺のことが好きだったんじゃないの?」
「!?」

いきなりのぶっこみに目を見開いた。
なぜそれを知っているんだ?!


「違う?」
「あ・・・な・・・なんで?」

「ん?」
「なんで、そう思うの?」

「美琴は俺に少し近いんだよ」
「似てるってこと?」

「うん」
「?」
ビールを飲む健の顔を見る。


「仕事の話もプライベートの話もなんだってするのに、肝心なことは伝えられないヘタレなところ」
健は、にやりと意地悪な笑みをこぼした後、まじめな顔をして話し続けた。

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