一匹狼の君と私

だけど私は聞きたくてしょうがなくてつい、聞いてしまった


『と、ところでさ、さっきの女の子はだれだったの?』


「…ただの、知り合いだよ」



『そ、そうなんだ…』




なんなの、?さっきの沈黙

そんなに私に女の子とのことを隠したいの?



そ、そりゃそうだよね

ただのクラスメイト…


顔見知りくらいの程度の人間にそんな自分のことなんて言いたくないよね



「…さっき、のこと話したくなったら言えよ」


さっきのこと?

さっきのことってなんだろ?


あっ、ホテルで一緒にいた男の人との事なのかな

私が泣いてたから、心配してくれたんだ


素直に嬉しいけど申し訳ない


せっかく龍斗くんが話しかけてくれたので何とか会話を続けたくて

自分の本能のままに質問をしてしまった


『龍斗くんはどうしてホテルから綺麗な人と出てきたの?』

「っ!!」

私がその質問をした瞬間

龍斗くんは目を大きく開けて
びっくりしたようだった──────



やっぱり、聞いてはいけない質問だったなのかもしれない

そんなの分かってた


聞いちゃだめだって、思えば思うほど気になって仕方がなかった



「あの人は…」


龍斗くんはきっと今すごく言い訳を考えていると思う

実際のところはなんなのか、分からないけど


本当のことはまずいから隠したいのだと思う



聞いたけど本当のことを教えて貰えるなんて思ってない

ただ、知りたかった

興味本位…ではないはず


そんなことを考えていると龍斗くんの口が開いた
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