一匹狼の君と私

ガチャ



龍斗くんがドアを開けると中から足音が近づいてきた




「あ〜!龍斗くんっ!遅いよ〜。私めっちゃ待ったたんだから」



「わりぃ」



「もー!絶対思ってないじゃんっ」




だれ?この女の子



すごく、可愛い…。私なんかとは比べ物になんない



今までは謎の自信があったのに急に自信が無くなってきた



こんな顔。こんな性格なら自信が無いのが当然のはずなのに



今までの私…。何やってきたんだろ




この、可愛い子は龍斗くんと付き合っているとかなのかな


小さい頃会ったことがあるとか今日話せたとかくらいで自惚れてたなんて恥ずかしい



そうだよね。普通にかっこよくて優しい龍斗くんに彼女とかそういう人がいない方がおかしいし



涙が出てきそう



きっと今私の顔はとても酷いはず

目に溢れんばかりの涙を貯めてそれをグッと堪えている



そんなことを考えていると…



「このおばさんだれ?」


『は?』



オバサン…?

私が?


まだ高校生なんですけど


何がなんでも失礼すぎない?

私たちはじめましてだよ?

それにきっと私の方が歳上なんだけど



「お、おい。こいつは俺と同い年だ」



「え〜!そうなんだ。てっきり色気もないし老けているからおばさんだと思っちゃった」



「…謝れ」

「えっ?な、なんでよっ!なんでそんなこと言うの!?私よりこんな奴がいいって言うの?」



「…そういう事じゃない。礼儀としておかしいだろ」




女の子に言われたことには、否定しないんだ…



やっぱりそういう関係だったんだ
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