【完結】一途な想いは彼を狼にする
「通じ合った想い」
明美ちゃんを無事に家に送り届けた私たちはどちらの家にも向かわず海沿いを走っていた。
「ねぇ、涼介。何処に行くの?」
「ちょっとしたドライブだ。付き合えよ」
涼介はそう笑って夜の海沿いを颯爽と駆け抜けた。
「夜の海ってさ、波の静かな音だけが響いて好きなんだ」
「いいね、そういうの涼介っぽい」
1時間ほど前の涼介とは打って変わって爽やかな空気が彼からは感じることが出来た。
「もう少しで目的地だ」
そう言って涼介は車を止めた。着いた場所は涼介に連れられて一緒に行った彼のお気に入りの場所だった。
「ここ……」
「覚えてるか?ここで昔約束したんだ」
「約束って、まさか……」