【完結】一途な想いは彼を狼にする
涼介は優しく頷いて、車から降りた私の手を引いて砂浜へと駆けて行った。
「遥香、俺さお前のこと好きだよ」
「え……」
涼介が放った言葉に私の意識はその意味を理解するのに時間がかかった。
「う、嘘でしょ?今までずっとあしらわれてきたのにどうして?」
「ごめんな」
「なんで、涼介……」
「俺の都合で遥香の想いに応えられなくて悪いと思ってる。だけどこれにはちゃんとした理由があるんだ。」
「もう、なんなのよぉ」
「俺、海外に行くことになったんだ。だからずっと嘘をついて遥香の想いに応えられなかった」
「海外……?」